『アルモニア』について

 研究誌『アルモニア』は、1924年(大正13年)澤口忠左衛門によって結成されたマンドリン合奏のグループ『仙台アルモニア合奏団』の機関誌として、1927年(昭和2年)仙台で創刊された(『アルモニア』第壱号

 

  仙台アルモニア合奏団(前列左が澤口忠左衛門)
  仙台アルモニア合奏団(前列左が澤口忠左衛門)

 機関誌としての『アルモニア』は間もなく研究誌『アルモニア』として五つの事業部門を持つに至る。すなわち、1)合奏団、2)刊行部(『アルモニア』の発行、アルモニア版楽譜の出版)、3)文庫部(海外の楽譜・文献の蒐集、及び貸出し)、4)取次部(国内外の楽器・弦・楽譜・文献等の取次)、5)教授所(ギターおよびマンドリン教授)である。これらの内、2)の出版事業では「ビブリオティカ・アルモニア」と銘打って海外及び邦人作曲家の作品を世に送り出した。”アルモニア版”といわれる200曲を越す楽譜群である。また、3)は『アルモニア』誌上で―――本文庫は他の図書館、文庫などと異なり、誌友は自宅に送付を受けて自由に使用できる特別の文庫です――と広告されているように、入手の困難な楽譜を郵便を利用して貸出しを行なうという当時としては画期的なサービス事業であった。

 『アルモニア』は創刊より2ヶ月に1回、年4回発行を続けたが、1941(昭和16)年の89・90合併号を最後として、時局下、国策にしたがって、休刊(事実上の廃刊)となった。 そして戦後1954(昭和29)年、創刊時の同志、高橋 功によって同名の『アルモニア』として復刊され、1959(昭和34)年の36号まで発行された